副校長
副校長って何?と思った人もいるのではないでしょうか。筆者も子供が小学校に行くようになって、聞きなれない偉そうなおじさんが出てきて初めて認知しました。 坊ちゃんの赤シャツをはじめ、様々な学園ドラマやアニメでも学校では教頭先生がにらみを利かせ、生真面目でちょっと意地悪なキャラという印象が強いですが、 教頭と副校長はいったいどういう関係になっているのでしょうか。詳しくみていきましょう。副校長とは
副校長は学校教育法に「校長を助け、命を受けて校務をつかさどる」とされる役職です。
校長のリーダーシップを発揮しやすいように、学校組織を階層構造にして組織運営の充実を図ることを狙いとして作られた役割です。
基本的には校長先生の補佐役であり、校長先生のお手伝いをすることが大きな役割ということでしょうか。
副校長は現在の全ての学校にいるわけではなく、今まで通り教頭のみの学校もまだまだ多いようです。
副校長が多い自治体は、東京がダントツの2342名(内、女性441名)。次いで、岩手の689名(内、女性164名)、静岡の118名(内、女性18名)があるが、副校長が全くいない自治体も相当あります。
副校長はいつから?
平成19年(2007年)6月27日に法律が作られ、翌平成20年4月から導入に改正された学校教育法によって、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校に校長と教頭の間に置くことができるようになった新しい管理職です。
副校長と教頭の違い
副校長と教頭の違いを簡単にまとめると以下のようになります。
※年収は2016年度「学校教員統計調査」より
副校長 | 教頭 | |
---|---|---|
設置 | 設置することができる | 原則設置する |
権限 | 校長に次ぐ | 副校長に次ぐ |
校務 | 命を受けて校務をつかさどる | 校務を整理する |
授業 | 授業を行う必要はない | 必要に応じ授業を行う |
立場 | 経営者 | 業務最高責任者 |
年収 | 42.69万円 | 42.97万円 |
副校長は必ずいる?
副校長は設置することができる役職です。つまり置いても置かなくてもいいようです。
一方教頭は原則として必ず置かなければならないとされています。
実は教頭は法改正前には、必置の職ではなかく、副校長と同じく、無くてもよい役職でした。しかし平成19年の改正で「教頭は教諭、養護教諭及び事務職員とともに必置の職」とされました。
教頭については筆致ではあるが、例外として副校長を置いている場合や、特別の事情がある場合は置かなくても良いようです。
副校長と教頭どちらが偉い?
「校長を補佐する職制。教頭よりも権限は強い。」つまり副校長の方が偉いということです。
職階的にいうと校長と教頭の間にあたります。校長は校務を司り、副校長はその「校長を助け、命を受けて校務を司る」とあり、
校長が命じれば、校長が出来ることは全てできるのが副校長です。将棋でいえば「玉」と同じ動きができる「金」と言ったところでしょうか。
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副校長の仕事
校務
副校長は「校長を助け、命を受けて校務をつかさどる」とあり、教頭は「校長を助け、校務を整理し」とあります。
どちらも同じように見えますね。
とはいえ、つかさどるとは物事を決済する権限があり、要は決定権があると思っていただければよいかと思います。その決定権を持つ校長の代わりに決定権を持つことが出来るのが副校長。
一方教頭は基本的には「整理」を行い、意思決定のサポートを行う立場にあります。
とはいえ校長に何かがあった場合、副校長も教頭も共に代理の役割を担うことが出来ます。
授業
児童の教育は副校長についての言及はされていません。一方教頭は「必要に応じ児童の教育をつかさどる」とあり、
授業を行うことも想定されています。
とはいえ副校長も場合によっては授業することは許されており、その学科の免許があれば授業を行うことも可能です。
言い回しの問題はありますが、どちらも授業は可能だが、より教育に力を注ぐべきは教頭と言ったところでしょうか。
立場
教頭はあくまで校務の整理なので、副校長がでいる前は今まで校長に校務が一極集中していたという事情がありました。
そこで学校のマネジメント的な観点から、校長と教頭の間のポジションを置こうということでできたのが副校長です。
つまり、ハイカラな呼称でも何でもなく、マネジメントでの必要性から生まれた存在が「副校長」ということになります。
副校長の年収
副校長の年収は教頭と比べて、わずかに教頭が上回ってはいますが、ほぼ同じと言っていいでしょう。 給与(月収)の比率を比べてみると、平均よりもその構成に違いがあるのが分かります。
副校長の給与(%)
教頭の給与(%)
※年収は2016年度「学校教員統計調査」より
注目すべきは副校長には10万未満が少なからずいるということです。こうした少額での設置は、企業でいう顧問のような立場の方がいるということなのでしょうか。 また副校長は教頭と比べ45万以上の高い給与をもらっている人も多いという点では、企業でいうコンサルティングのような役割を担っている人もいるのかもしれません。
こうしたことから副校長とは、かなり柔軟な役職で、学校によりその役割が大きく異なるとも言えるのかもしれません。
まとめ
副校長は校長の業務が多忙なことから、マネジメントサポートの観点で作られた役職ですが、実際には教頭の役割も担うことが出来る、柔軟な役職です。
つまり学校の校務が非常に多く、その役割を分散させるために新設されたといえるでしょう。
学校がブラック企業化しているという問際の一端が、こういうことろにも表れているということでしょうか。
副校長を英語で言うと
副校長:Vice-principal
教頭:Head teacher
ちなみにprincipal(校長)はアメリカで使われている単語であり、イギリスではHeadteacherまたはHead Master(女性はHead Mistress)と言います。
英国と米国の文化の違いが文字に表れているようですよね。Principalは最も偉い人を指すときに使う言葉で、社長や長官何かにも使われます。つまり責任者、経営者という側面があります。
一方Head teacherというと先生の中で最も偉い人、先生の責任者といったニュアンスになり、学校全体の運営という側面が薄れます。
文字通りイギリスでは「教頭」という側面の役割が強く、アメリカでは「副校長」という側面が強いということでしょうか。
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